※ネタバレあります。


先日、久方ぶりに小津安二郎の映画『東京物語』を観ました。



その際の感想はわたしが泣いた映画。に記載をしていますので、興味がある方はどうぞ~また、映画『東京物語』を観た事がないひとはこの記事の最下段を参照ください。wikipediaからあらすじを引っ張ってきておりますので。


ほんま、親子・家族ってなんやろうね・・・『東京物語』(1953年)。


上記の感想ともかぶるのですが・・・この映画、若い頃に一度観ています。まだ独身でした。そして、結婚後、改めて観ると複雑な気持がわたしの中に起こりました。

昔は長女志げに対して冷たい娘だ、情のない娘だと怒っていました。そして、わたしはそんな娘になるまい、と。

一方、嫁を演じた原節子はこれぞ古きよき日本の嫁、と言う感じでこういう娘、嫁になろうと思ったものです。憧れに近いような感情でした。今、思うと若い日の潔癖さ、というのは本当に清清しいものがありますね。自分のことながらそう思いました。


広島から東京へ上京してきた両親。長男の幸一も長女の志げも毎日の生活に必死で親を構う余裕がない素振り。どうでもいい(汗)長男はともかくとして・・・


口では親を歓待しながらも、忙しいわ、相手してられないわ、そうだわ、義妹の紀子に相手を頼めばいいわ、温泉に送り込めばいいわ、それでいい思い出になるでしょう、それでいいわ。


そんな長女志げに昔は腹を立てました。母がなくなった際も自分の生活が優先で、割とドライな態度にも腹を立てました。わたしはそんな娘にはならないわ、と昔は思いました。

でも、改めて『東京物語』を観て胸をつかれました。

わたしは志げの気持が分かる、と思いました。嫌だけれど、認めたくないけれど、わたしには志げの気持ちも考えも分かる、と愕然としました。

それどころか、長女志げの態度に自分が重なる部分があるような気がしました。口では調子のいい事を言いながらも・・・というところに。


そして、原節子演じる紀子のいい嫁風になんだか釈然としない気持を抱えたりしたのです。

紀子は本当に良く出来た嫁で、義両親としてはこれ以上ない理想的な嫁であり、志げにとっても扱いやすい義妹でしょう。

演じる原節子の容貌の美しさ、所作の美しさ、佇まいの美しさ、そして、紀子の心根の美しさ、あふれる微笑、それらが大スターの貫禄とあいまって本当に理想的な嫁としてスクリーン上に存在しています。


なんだかそれを見ていると、出来ない嫁である自分を不甲斐なく感じ、胸が痛くなりました。


しみじみと考えさせられる映画です。名作というのは時代を経ても名作である、と実感させられます。


1953年の夏、尾道に暮らす周吉とその妻のとみが東京に旅行に出掛ける。東京に暮らす子供たちの家を久方振りに訪ねるのだ。しかし、長男の幸一も長女の志げも毎日仕事が忙しくて両親をかまってやれない。寂しい思いをする2人を慰めたのが、戦死した次男の妻の紀子だった。紀子はわざわざ仕事を休んで、2人を東京名所の観光に連れて行く。
両親の世話に困った幸一と志げは、2人を熱海の旅館に宿泊させる。しかし、その旅館は安価な若者向きの旅館で、2人は騒々しさになかなか眠れない。翌日、熱海から早々に帰って来た2人に対し、志げはいい顔をしない。居づらくなった2人は志げの家を後にする。周吉は在京の旧友と久方振りに再会して酒を酌み交わし、とみは紀子の家に泊まる。ここでとみは、戦死した夫を忘れて再婚するよう、紀子に強く勧めるのだった。周吉は旧友に本音をぶちまけるほど泥酔する。深夜、泥酔状態のところをお巡りさんに保護されて、志げの家に帰ってきてしまう。そこで志げ夫婦の顰蹙を買う。
2人は、子供たちからはあまり温かく接してもらえなかったが、それでも満足した表情を見せて尾道へ帰った。ところが、両親が帰郷して数日もしないうちに、とみが危篤状態であるとの電報が子供たちの元に届いた。子供たちが尾道の実家に到着した翌日の未明に、とみは死去した。幸一と志げは悲しみつつも、間もなくさばさばした乾いた表情を見せる。
とみの葬儀が終わった後、志げは次女の京子に、とみの形見の品をよこすよう催促する。そして志げは、とみよりも周吉が先に死ぬのが望ましかったと主張し、幸一もそれに同調する。紀子以外の子供たちは、葬儀が終わるとそそくさと帰って行った。京子は憤慨するが、紀子は歳を取れば誰でも自分の生活が一番大切になるものだといって義兄姉をかばい、若い京子を静かに諭す。
紀子が東京に帰る前に、周吉は上京した際の紀子の優しさに感謝を表す。そして紀子に再婚を勧める。ここで紀子は初めて、自分の苦悩を吐露する。独身を通す自分の将来の不安がぬぐえないことを打ち明け、涙を流す孤独な紀子に、周吉は妻の形見の時計を与える。



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