--.

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブログを移転しました。新しいブログは下記になります☆
わたしの日常



--/--/-- --:-- [edit]

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

Sun.

■多島斗志之著『症例A』。  

以前、多島斗志之の『少年たちのおだやかな日々』を読んで、背筋が凍る思いを抱きました。苦手なジャンルの小説でしたね。。。恐ろしや~。

というわけで(?)避けていた作家、多島斗志之でしたが、『症例A』に手を出しました。一時期、やたらと流行った解離性同一性障害(多重人格)もの。

結論、素直に面白かったです。

正直なところ、amazonのレビューに書かれているように起承転結の結が弱い、というのは当たっているような気がしないでもないですね。これから、これからが読ませるところなのに~というところで終わりますからね。少女の今後はどうなるのか、また、由起はやはり、まだ・・・などなど。うー、どうなるのー!と叫びたくなる終わりでした。

でも、そこまで思わせるように持っていたストーリー展開はやはり面白かった、と思います。ええ、正直に面白かったと思います。

多重人格ものといえば・・・個人的には以下の本がまず頭に浮かびます。





これをいつ頃、初めて読んだのか記憶は定かではないのですが、虐待の恐ろしさ、怖さ、悲しさ、そして、解離性同一性障害(多重人格)へに至るまでの流れなどを目も眩むような気持で読みました。

その後、何冊かこのジャンルの本を手に取り、読みましたが、いずれも痛ましい話で眼を背けたくなるほどの苦痛と悲しみ、恐怖を伴うものでした。


それに比べると・・・『症例A』はサクサクと読めました。純然たるミステリーとしても楽しめました。2001年度このミス9位にランクインしています。


・・・本作のテーマは「心の障害」である。精神科医の榊は、病院の問題児である少女・亜左美を担当するが、前任者の下した診断に疑問を抱きはじめる。彼は臨床心理士の由起と力を合わせ、亜左美の病根をつきとめようとする。

きわめてタイムリーな素材に思えるが、7年前から構想を練り、多くの時間を費して文献を読み込んでいたという。その間にさまざまな映画や小説で扱われた多重人格(解離性同一性障害)が、ここでも重要なテーマの1つとなっている。

しかし、本作はあまたのサイコ・ホラーとはっきり異なっている。センセーショナルな描写や筋立ては極力排され、精神疾患という「異世界」で苦しむ患者たち、彼らを助けようとする医師たちの姿が共感をもって描き出される。その姿勢がケレン味のなさとしてあらわれる部分もあるが、サイド・ストーリーとして重要文化財の贋作疑惑を配するなど、巧みな展開で補っている。読後、多くの人が、心の障害は決して特別なものでないと気づくだろう。いわゆる「普通人」と「患者」との間にある垣根の低さに慄然とするかもしれない。そう感じられるのも、全編に充ちた誠実な眼差しがあればこそである。



もちろん、亜左美や由起が自らを守るために手にとった手段、そこへ至った過程にも触れられていますが、そこは基本的にあっさりとされています。

彼女たちの過去の不幸や悲しみ、苦しみ、恐怖よりも現在の彼女たちを見つめ、眺め、どのように接し、どのように治療をたてるべきか、という流れに主眼が置かれています。もちろん、過去が現在の彼女を支配しているのでしょうが、それよりもその過去にいかにして寄り添うべきか、描かれているように感じました。

そして、同時にひとつの自殺、贋作の真相は?というミステリ仕立てのところもあり、すべてが実にキレイに配されているように感じました。いささかキレイに配されすぎていて、眉唾っぽいところを感じたのも事実ですが、やはり読ませるものはありました!


<きみは真由美さんのことをよく知っているみたいだが、真由美さんはきみの存在を知らないようだね>と言ったら、<たまに話しかけてみることがあるんですけれど、あの子、にぶいですから、幻聴だと思ってるんです>と、にこりともせずに、無表情に、淡々と話すんです。



上記で起承転結の結が弱い、というようなことを書きましたが、救いのある終わり方です。それだけでも読み終えてよかった、と思わせるものがありました。






そして、最後に作者の多島斗志之について。

2009年12月19日に滞在していた京都市内のホテルを出たのを最後に消息を絶つ。多島は1989年頃に右目を失明しており、失踪前日、弟や長女に「1カ月前から左目も見えにくい。この年で両目を失明し人の手を煩わせたくない。失踪する」との速達が届き、失踪当日には友人や出版社に「筆を置き、社会生活を終了します」との手紙が届いたと報じられた。



今、どうされているのでしょうね。






関連記事

ブログを移転しました。新しいブログは下記になります☆
わたしの日常



2013/09/15 21:06 [edit]

category: 読書。

thread: 読んだ本 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://30overmylife.blog114.fc2.com/tb.php/1143-99933040
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ブログを移転しました。

プロフィール

検索フォーム

意識して生活したい。

記事カテゴリ

最新記事

月別アーカイブ

リンク

▲Page top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。